2015.06.24 : 平成27年6月定例会(第4号) 本文

◯十番(ますだ裕二君) 自由民主党のますだ裕二と申します。
 通告に従い、順次質問させていただきたいと存じます。
 冒頭に、今回の質問は、県民の皆様と一緒にNPO法人やまちづくり協議会として行ってきた取り組みに基づき質問させていただきます。
 質問に際し、お力添えを賜りました施設関係者、地域団体、全ての皆様に心より感謝を申し上げます。
 私からは、あいちビジョン二〇二〇の重要政策課題、支援が必要となっても安心して暮らせる地域づくりについて質問させていただきます。
 急速な高齢化が進み、高齢者が地域で安心して生活できるよう、高齢者の生活支援ネットワークの構築を図るとともに、介護福祉施設の整備、高齢者向けの住まいの確保など、地域の実情に応じたワンストップで対応可能な仕組みづくりが急務であります。
 あいちビジョンにおいても、医療、介護、予防、生活支援、住まいを切れ目なく一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築が必要とされています。
 総務省が発表した二〇一四年十月一日現在のデータによりますと、愛知県は、高齢化率においては二三・二%と全国平均二六%より下回り、全国四十四位でありますが、高齢者問題に対し、地域特有の問題を抱えている地域であると思います。
 例えば、私の住んでいる名古屋市中区におきまして、高齢化率は二二・三%ですが、ひとり暮らしの高齢者人口が二四・五%と高齢者の四人に一人が独居高齢者であるのが現状であります。
 また、最近では、高層マンションが多く建ち並び、昔のようにお隣、御近所さんの関係は築きにくく、高齢者が孤立しやすい環境となってしまっているのが実情であります。
 私自身も、地域から孤立した高齢者の孤独死に立ち会う場面もあり、想像を絶する現場には言葉を失いました。
 これを問題視し、私は、平成二十三年にNPO法人を設立し、地元名古屋市中区において、独居高齢者の孤立死をなくす取り組みを地元住人、学区役員、社会福祉協議会の協力のもと行ってまいりました。
 実態を調査するために、区内の高齢者約百名を対象にアンケートを実施したところ、人生の最期はどちらで迎えたいですかとの問いに、約七割の方は自宅で迎えたいとお答えいただきました。なるべく最後まで自宅で過ごしたい、そんな地元高齢者の要望と地域コミュニティーが乖離してしまっている地域事情が孤独死問題を加速化させていると思います。この例は、あくまでも地域に限定した問題ともとれますが、愛知県内でもこのような問題が起こってくることが予想されます。
 例えば、平成二十六年度、愛知県の県営住宅では、県内で十四件、うち名古屋市内においては九件の孤独死が発生しております。孤独死は身近な問題になりつつあります。しかし、孤独死は未然に防げる可能性があり、大阪市住吉区の社会福祉協議会が発表した調査結果によりますと、駆けつけにより二十五名中九名の命を救うことができたと発表しております。
 そこで、愛知県の孤独死対策についてお聞きします。
 愛知県も各地でモデル事業を実施し、さまざまな地域事情に対応できる地域包括ケアシステムの構築に尽力されています。そして、その地域包括ケアモデル実施の最終的な目的は、持続可能なシステムの構築により高齢者の孤立を防ぎ、安心して暮らせる環境を整えることにあると思っております。
 こうした孤立死、孤独死が起きないように県としての地域包括ケアシステムを構築することによる見守り対策についてどのように行っていくか、お伺いをいたします。
 次に、高齢者住宅の確保についてお聞きします。
 先ほども述べましたとおり、県のビジョンでは、高齢者の生活支援体制の構築、地域の実情に応じた基盤整備の中で、特別養護老人ホームなど介護施設の整備、住まいの確保などが挙げられています。
 低所得者の高齢者が単身で入居することのできるシルバーハウジング、生活支援サービスつき高齢者専用住宅を二〇一二年から二〇二〇年までの九カ年で約一万一千戸供給するとの計画を立てられています。
 私の住んでいる名古屋市中区におきましては、特別養護老人ホームは二カ所、入所待ちの高齢者が五百六十一人発生しております。逆に、サービスつき高齢者住宅に関しましては、区内の施設の空き状況を調べますと、入居率は五二・七%で、区内でも六十二部屋があいている状態であります。
 その背景には、名古屋市、特に中区におきましては、多くの職人が日本の伝統文化の技術を競う物づくりから発展した地域であり、厚生年金の加入、受給率が六四%と低く、家賃相場の高い地域においては、高額であるサービスつき高齢者住宅には入居できず、特別養護老人ホームや一般住宅での在宅サービスを受けられる方が多いことを示しています。
 しかし、その一般住宅の高齢者受け入れにも大きな問題が生じ始めております。先ほども質問させていただきましたが、孤独死が増加傾向にある現在において、孤独死が起こってしまったマンションの一室や家屋は、新たな入居希望者に対し、事故物件である旨の告知義務に該当し、大家さんが負わなければならない損失が多く、不動産の価値を守りたい大家側としては、リスクを考えると高齢者の入居を断るケースがふえてきております。
 私も、宅地建物取引士として多くの賃貸借契約の締結をしてまいりましたが、自殺や自然死に対する告知義務には明確なガイドラインがなく、告知しなかった場合の告知義務違反のリスクを考えると、ほとんどの宅地建物取引士が告知をしているのが現況でございます。このような状況から考えると、高齢者、特に独居の方の一般住宅の確保には大きな障害となることが考えられます。
 このような動きが加速化すると、特別養護老人ホームの整備や低所得者向けのシルバーハウジングの整備が心待ちにされるところでありますが、実際には、こうした住宅の整備は進んでおらず、シルバーハウジングを例とすると、県営住宅では、平成二十七年四月一日現在で、県内の供給数は九百三十八戸、名古屋市内では六十七戸であります。整備が進まない背景には、各市町村のライフサポートアドバイザーの確保が難しいなど、住宅供給の部分、いわばハードの部分と安心・安全サービスのソフトの部分がうまくかみ合っていないことが考えられ、市町村と協議の上、早急に問題解決に努めていかなければならないと思います。
 そこでお伺いいたします。
 シルバーハウジングとは、昭和六十三年に国が定めたシルバーハウジング・プロジェクトに基づく事業で、収入に応じた賃料で、手すりの配置、段差の解消、緊急通報システム、ライフサポートアドバイザーやライフラインによる見守りが付随する低所得者向け高齢者専用住宅であり、ここ数年では、シルバーハウジングの入居希望者は、他の住居と比較すると希望者が多く、毎回抽せんになっているとお聞きしました。
 そんな中、県営住宅でのシルバーハウジングの供給を今後どのように進められていくのか、お伺いいたします。
 続きまして、観光資源の磨き上げ及び外国人旅行者の受け入れ環境整備について御質問させていただきます。
 二〇一五年四月の外国人旅行者数は、初めて単月で百七十万人を突破いたしました。また、先日発表された五月の外国人旅行者数は、四月に次いで過去二番目の百六十四万人でした。今後も外国人旅行者数は、アジアの経済発展や円安傾向を背景に好調に推移することが期待されています。
 今月十二日には、観光庁が複数の都道府県をまたがって、テーマ性、ストーリー性を持った一連の魅力ある観光地をネットワーク化し、外国人旅行者の滞在日数に見合った広域観光周遊ルート形成計画を認定しました。自治体や経済、観光団体などで構成する十二地域の協議会から応募があり、北海道から九州まで七地域が選ばれました。この取り組みは、地方の伝統文化や自然環境の魅力を海外にアピールし、多くの外国人旅行者をいわゆるゴールデンルート以外の地域に呼び込むことが狙いです。
 認定された七つの広域観光周遊ルート形成計画の一つが昇龍道です。中部九県にまたがる昇龍道は、立山黒部アルペンルートや伊勢神宮など、自然と伝統文化が織りなす多様性が売りです。知名度の低さが課題と言われたこともありますが、国のお墨つきを得たことで、中部九県への来訪者の底上げが期待できると思います。
 昇龍道プロジェクト推進協議会の事務局でもある中部広域観光推進協議会が申請した広域観光周遊ルート昇龍道の形成計画の概要によると、豊かな山岳等の自然、歴史、物づくり文化などを活用し、アジアやアメリカからの誘客を図る、セントレア、東海道新幹線と北陸新幹線効果によりゴールデンルートからの呼び込みを目指すとされています。この認定を受けた地域は、広域での外国人受け入れ環境の整備や計画の策定、マーケット調査など、具体的に準備を進めていくこととなります。
 太田国土交通大臣が訪日外国人旅行者数二千万人を達成するためには、各地の魅力ある観光資源を磨き上げて、全国津々浦々の地域にも訪日外国人が来訪していただけることが重要であると述べておりますが、私もまさに同感でございます。
 三英傑のゆかりの地である愛知には、たくさんの歴史や日本の伝統文化があり、今後の広域観光周遊ルートの形成が各地域にもたらす経済効果は非常に大きなものだと思われます。
 例えば、私の地元である名古屋市中区は、名古屋城に向かう本町通りと堀川から発展した地域でもあります。本町通りは、物づくりから発展した地域で、多くのお寺や神社から形成され、堀川は、家康に命ぜられた福島正則が名古屋城築城のためにつくられた運河として、周辺には多くの歴史的建造物を残しています。
 本町通りの歴史は、大須観音の南に位置する、いわば門前町、橘町と言われる地域で、東別院、西別院を初め、織田信長が桶狭間の合戦前に必勝祈願をし、戦勝のお礼に千本の松を植えたとされる日置神社や切支丹遺跡博物館があり、県重要文化財にも指定されている栄国寺など、歴史ある町並みが形成されている地域でもあります。
 昨今では、パワースポットとしても注目を浴び、名古屋造形大学の学生がガイドとして参画し、日置神社を中心に神社仏閣をめぐるツアーが人気を呼んでいます。
 また、日本の伝統文化も感じていただける地域でもあります。門前町には、歴史ある仏壇仏具店を初め、伝統工芸士が多く点在し、その物づくりの技術の高さは、名古屋城の本丸御殿復元の技術にも使われているほどであります。毎月二十八日には、私たちNPO法人も参画しているまちづくり協議会や地元商店街の方々と協力し、金箔張り体験など、日本の伝統文化の技術を体験していただける取り組みを行っております。
 門前町、橘町は、決して知名度は高くありませんが、国内の旅行者はもとより、外国人観光客にもぜひとも訪問していただきたい地域の一つでもあります。
 そして、堀川周辺を取り囲む環境も、国内外の旅行者を問わず歴史を感じていただきたい地域でもあります。
 例えば、堀川にかかる橋は、五物件が都市景観に基づき名古屋市都市景観重要建築物に指定され、七物件が認定地域建築物資産の認定を受けています。
 また、日置橋の近くにある松重閘門、すぐ北にある岩井橋は、推薦土木遺産にも指定されています。そんな名古屋の中心を流れる堀川で歴史的建造物を眺めながらの新たな交通手段として、昔のような船を利用した観光を待ちわびている方もおみえになられると思います。
 私の地元である名古屋市中区は、名古屋城に向かう本町通りは歩いて寺町をめぐり、堀川の歴史は、船を利用して観光により感じていただける地域であります。
 このように、愛知県内には探せばまだまだ魅力的な地域が豊富にあると考えます。歴史的に知名度の高い三英傑を生み出し、多くの魅力あるまちが点在する県内の埋もれた観光資源を発掘して、外国人観光客にも紹介をしていただきたいと存じます。
 そこでお伺いいたします。
 県では、県内の観光資源をどのように発掘をし、磨き上げを行っているのか。
 次に、観光庁が外国人旅行者向けの広域観光周遊ルート形成促進事業を実施しているが、県として外国人旅行者の受け入れ環境整備のためにどのような取り組みを行っているのか、お伺いをいたします。
 最後に、NPOの支援についてお伺いをいたします。
 阪神・淡路大震災によるボランティア活動が社会的な関心を集め、日本全土に広がりを見せたNPOは、東日本大震災の復興支援においても、その柔軟な活動が注目されました。
 NPOの活動は、災害支援に限らず、介護や子育て支援といった福祉の分野からまちづくりや環境保全など、社会が抱える多様な課題の解決をミッションとしております。
 私自身も、高齢者の孤独死を防止する取り組みや、歴史的に魅力あるまちづくりを推進するNPO法人を立ち上げ、これまで活動を行う中で、地域の皆様からNPOの柔軟できめ細やかな活動に寄せられる期待を肌で感じているところであります。
 また、昨今では、行政主導ではなく、地元住人や事業主、NPOなどが主体となって地域の防犯や環境の維持向上などに自主的に取り組む、いわゆるエリアマネジメントが各地においてさまざまな取り組みとなって展開をされております。
 私の地元である名古屋市中区においても、あいちトリエンナーレの長者町会場となりました錦二丁目を中心に、地元が主体となって魅力あるまちづくりに向けたエリアマネジメントを展開し、地域を活性化させるなど、住民自治による取り組みが広がりを見せております。
 本県では、昨年三月に策定したあいちビジョン二〇二〇において、県政の各分野における課題解決に向けては、多様な主体との連携が必要であり、ビジョンの推進に当たっては、NPOとの協働が必要であることを明確に掲げております。
 こうした中で、県のNPOの状況に目を向けてみますと、平成十年のNPO法施行以来、NPO法人を目指す団体は年々増加し、本年三月末現在、愛知県が認証しているNPO法人は千七十一団体となり、今後ますます増加することが予想されます。
 しかし、一方では、県が認証したNPO法人のうち、これまでに解散した法人数が二百十六団体、認証取り消し件数が二十七団体であり、認証した法人数の二割弱となっております。
 こうした背景には、地域のさまざまな課題に対して何とかしなければならないと強い思いを持った方々が集まり、NPO法人を立ち上げられているわけでございますが、中には、思いだけが先行してしまい、活動に必要な会計事務や組織の運営方法などの環境を整えないまま出発していると私自身も周りから聞き及ぶなど、まだまだ運営にふなれな法人も多数あり、結果、このような事務能力を有する人材不足などから事業を継続することができなくなり、解散せざるを得ないNPO法人も多いのではないかと考えています。
 私は、単にNPO法人の数の増に焦点を当てた政策を展開するのではなく、法人の運営を強化していくための政策が重要であると思います。
 そこでお伺いをいたします。
 県は、こうした状況をどのように分析され、NPOに対してどのような支援を行っていくのか、さらには、NPOにどのような支援を展開していかれるのか、お伺いをいたします。
 今回御質問させていただきました高齢者への取り組み、観光資源の発掘に関しましては、私自身が実際にNPO法人やまちづくり協議会として参画し、地域の問題解決に向け、県民の皆様と一緒に実践をしてきた取り組みであります。実際の活動を通じて感じたことは、各地域には地元を愛する住人がいて、地域の問題に真剣に向き合う学区役員の皆様や、それを支える商店街の皆様の尽力で初めて地域が成り立っていることがわかりました。
 どの質問にも共通することは、持続可能な社会システムの構築とは、県がプラットフォームを整備し、最終的には住民自治の形で各地域が主体となって運営していくことが理想であると考えます。
 今後の地域医療、福祉の充実、観光資源の発掘、NPO法人の支援について、期待する回答が得られますことを心からお願いを申し上げまして、私からの質問とさせていただきたいと存じます。御清聴いただきましてありがとうございました。(拍手)

◯健康福祉部長(伊藤輝明君) 孤独死を防ぐための見守り対策についてお答えをいたします。
 国の推計値によりますと、団塊の世代の方々が七十五歳以上となる平成三十七年には、本県の単身高齢者は平成二十二年と比較して一・五倍の約三十五万人になると予測されております。地域包括ケアシステムの構築に当たって、見守り対策の充実強化にしっかりと取り組む必要があると考えております。
 単身高齢者の日常生活でのささいな異変に気づくためには、地域の方々が相互に連携しながら見守りを行うことが重要であり、隣近所や町内会、民生委員などのほか、電気、ガスなどの民間事業者の協力を得ることが非常に効果的であります。
 県では、平成二十五年度からこうした民間事業者や市町村等を構成員とする高齢者等見守りネットワーク構築推進会議を開催し、市町村が民間事業者と円滑に見守り協定が締結できるよう働きかけを行いますとともに、市町村からのネットワーク構築に関するさまざまな相談等にも応じているところでございます。
 しかしながら、昨年十一月に実施した調査では、いずれかの民間事業者と見守りの協定を締結している市町村は、県内で三十二市町村あるものの、どの世帯においてもかかわりの多い電気、ガス、新聞の三つの事業者全てと協定を締結している市町村は十三市町村にとどまっております。
 県では、昨年度、見守り対策推進のポイントを取りまとめました愛知県高齢者見守りの手引きを作成し、県内全市町村に対し、この手引きを参考として積極的に見守りネットワーク構築に取り組むようお願いをしております。
 また、昨年度から三年間の予定で実施をしております地域包括ケアのモデル事業におきましても手引きを活用、検証しながら、対象地域における見守りネットワークづくりを促進することとしております。
 今後、県といたしましては、手引きに基づく取り組み状況や地域包括ケアモデル事業の実施状況を広く市町村にお知らせしながら、見守り対策を含めた地域包括ケアシステムが県内全域で早期に構築されますようしっかりと取り組んでまいります。
 以上でございます。

◯建設部建築局長(尾崎智央君) 県営住宅でのシルバーハウジングの供給についてのお尋ねでございます。
 県営住宅では、平成三年度から入居者の高齢化に対応するため、バリアフリー化された住宅において、市町村の福祉部局が派遣するライフサポートアドバイザー、生活援助員が高齢者の安否確認や生活相談などを行うシルバーハウジングの供給を進めてまいりました。
 しかし、ライフサポートアドバイザーの派遣には相応の予算が必要なことから、シルバーハウジングの供給について市町村と合意に至らないこともあり、必ずしも十分には供給できていない状況にあります。
 一方、市町村の福祉部局では、高齢者への訪問活動や電気、ガス等民間事業者による安否確認など、さまざまな見守りの取り組みが進められつつあります。
 そこで、県では、こうした市町村の見守り対策などと連携したシルバーハウジングの弾力的な運用について検討を進めております。
 この最初の取り組みとしまして、平成二十八年九月に管理開始を予定しています岡崎市の県営上和田住宅では、定期的な電話による安否確認や二十四時間体制の緊急時対応を導入する方向で市と調整を進めているところでございます。
 今後も、市町村の見守り対策などと連携した取り組みを進めることにより、シルバーハウジングの一層の供給の拡大に努め、高齢者が安心して暮らせる県営住宅の整備を進めてまいります。
 以上です。

◯振興部観光局長(加納國雄君) 県内の観光資源の発掘及び磨き上げについてお答えいたします。
 本県には、物づくり産業のすぐれた技術と戦国武将ゆかりの史跡、祭りなど、魅力ある歴史、文化資源、誇るべき伝統があり、国内外からの観光集客を一層拡大できる高いポテンシャルを持っていると認識しておりますが、県内には埋もれた観光資源がまだ数多く存在すると考えます。
 県では、地域の観光に携わっている方々を対象に、あいち観光まちづくりゼミを開催し、地元ならではの観光資源の情報提供と、それらをめぐるモデルコースを作成し、実証することによりその発掘と磨き上げを行っております。
 また、地域の観光団体などが提案する地元の観光資源を活用したモニターツアーの実施に対する支援を昨年度まで行ってまいりましたが、今年度からは、さらに一歩推し進め、地元の観光資源を組み込んだ地域初の旅行商品を造成し、大手旅行会社に働きかけて、PR、販売に積極的に取り組んでまいります。
 これらの取り組みを通じて、県内各地の観光団体など、観光に携わる方々と連携しながら、本県の新たな観光の魅力を発掘し、国内外へ発信することにより、県全体の観光振興につなげてまいりたいと考えております。
 次に、外国人旅行者の受け入れ環境整備についてお答えいたします。
 個人や少人数で本県を訪れ、公共交通機関やタクシー、レンタカーなどを利用して移動する外国人旅行者の利便性向上を図るためには、多言語表示の観光案内板の整備が不可欠であります。
 また、無料で利用できる公衆無線LANは、外国人観光客のニーズも多く、その環境整備の促進は、外国人旅行者の増加につながるものとして大変重要であると考えております。
 県といたしましては、今年度は、外国人旅行者が言葉の壁をできるだけ感じることなく旅行を楽しむことができるよう、市町村や観光団体などに対し、国の多言語対応ガイドラインを周知することに加え、多言語での観光案内板の設置に対する支援を行う事業に取り組んでまいります。
 また、外国人旅行者が観光情報を収集したり、現地の魅力をリアルタイムで海外に発信できるよう、観光施設や宿泊施設に対し、無料公衆無線LAN設備の設置を働きかけるとともに、支援する事業にも取り組んでまいります。

◯県民生活部長(川島毅君) NPOの支援についてお尋ねをいただきました。
 議員お示しのとおり、これまで県が認証した法人の二割弱が解散や取り消しとなっておりますが、その主な原因は、役員間の考えの相違から事業方針に食い違いが生じたり、自主事業の収入が想定どおりとならずに収入不足となるなど、組織内での方針の違いや事業運営における財務上の支障により法人の継続が困難になることが挙げられます。
 また、中には、会計事務に従事していた職員の退職に伴い、運営の知識を持った者がいなくなり、それをきっかけに継続が困難になる事例も見受けられました。
 こうしたことから、NPO法人格の取得や、定款変更を行う際の相談業務を充実して行うとともに、法人運営の基盤をしっかり持っていただくための会計や労務関係の研修の実施など、法人の立ち上げから管理運営に至るまでの支援をきめ細かく行っております。
 また、平成十九年度に愛知万博の収益金を原資に設立しましたあいちモリコロ基金により、NPOの立ち上げや、NPO活動の活性化を促進するため、年平均約百六十件、一億円余の助成を行ってきております。
 さらに、NPO活動の支援につながるよう、あいちNPO交流プラザのポータルサイトから幅広くNPOの運営に必要な情報なども発信しているところでございます。
 また、本年度、新たに仕事で培った専門知識や技能、経験を活用して社会貢献活動を行う、いわゆるプロボノを志す企業や行政の職員に研修を行い、NPOへ派遣する事業を中間支援NPOを通じて実施することとしており、NPO活動の運営面の強化や活性化をさらに支援してまいります。
 こうした取り組みを実施することでNPOの運営を支援するとともに、きめ細やかな地域の課題解決に向けて取り組むNPOを初めとする多様な主体との連携、協働を推進してまいります。

◯知事(大村秀章君) ますだ議員の質問のうち、観光資源の磨き上げと外国人旅行者の受け入れ環境整備について、私からもお答えをいたします。
 本県は、先人の知恵や世界最先端の技術に触れることのできる産業観光資源や三英傑ゆかりの歴史資源などが豊富にあり、まさにテクノロジー、技術、産業とトラディション、伝統、歴史を体験できる地域でございます。
 県内には既に知名度の高い観光地がある一方で、磨けば光る資源がまだまだ多数存在し、その磨き上げは、各地の観光集客の向上に寄与するものであります。
 また、国内外からの観光集客が期待できる航空機をテーマにした展示施設の整備や国際的なスポーツ大会の招致など、新たな魅力づくりにも努め、地域の新たな資源とあわせ、国内外に情報発信することにより多くの観光客の来訪を促してまいります。
 受け入れ環境の整備につきましては、無料公衆無線LANの整備が外国人旅行者の強い要望に応えるだけでなく、災害時における多様な通信手段の確保策としても期待をされております。
 そのため、来月には、県内市町村や交通事業者、観光関係団体等と一緒にあいち無料公衆無線LAN推進協議会を立ち上げ、県を挙げて取り組んでいくことといたしました。
 今後とも、観光資源の磨き上げや受け入れ環境の整備を通じて、外国人観光客が訪れたくなる地域づくりに取り組んでまいります。

◯十番(ますだ裕二君) 私のほうから最後、要望のほうをさせていただき、終わらせていただきたいと存じます。
 支援が必要になっても安心して暮らせる地域づくりについて御質問させていただきました。
 この中で、地域包括ケアシステムの構築、シルバーハウジングの設置推進に対して御答弁をいただきました。
 地域包括ケアシステムの構築に関しましては、あいちビジョン二〇二〇の中でも、明確に現場をよく知るNPOとの連携を視野に入れられているというふうに明記をされておられました。これもございましたので、部局をまたいでしまいましたが、NPO法人の経営の安定化、そういったことについても今回触れさせていただきました。
 ぜひとも、NPO法人が解散することなく、そのまま経営を安定化させるための支援を今後も行っていただきたいと思います。
 そして、シルバーハウジングの整備についても要望を出させていただきたいと存じます。
 今、シルバーハウジングではなく、愛知県内の住居、独居の高齢者の約六割が賃貸住宅にお住まいでございます。その六割のうちの約四割の方は、バリアフリーでない住宅にお住まいになられておられます。そして、こういったことが背景になりまして、バリアフリーで安否確認ができるシルバーハウジングの整備は、高齢者の方が心待ちにされていることと思います。ぜひとも名古屋市だけではなく、各市町村との協議を進めていただきまして、シルバーハウジングの整備に尽力をしていただきたいということを御要望として最後に出させていただきたいと存じます。ありがとうございました。