2017.03.01 : 平成29年2月定例会(第3号) 本文

◯十番(ますだ裕二君) 自由民主党のますだ裕二と申します。通告に従い、順次質問させていただきたいと思います。
 私からは、昨今新聞等でも問題となっている落書き防止に対する県の取り組みについて、障害のある方の雇用促進に向けた取り組みとして、就労アドバイザー制度の充実について、サービス管理責任者講習の充実について、以上、大きく二項目について質問させていただきたいと存じます。
 落書きがふえると犯罪がふえる、この言葉は一九九四年にニューヨーク市長に当選したジュリアーニ市長が治安向上のために真っ先に取り組んだ政策として有名であります。
 一九九〇年代のニューヨーク市は、四時間に一件の割合で殺人事件が発生するなど、治安が極めて悪い地域でありました。一九九四年、ニューヨーク市長に初当選したジュリアーニ市長が思い切った犯罪抑止策を打ち出し、犯罪は激減し、ニューヨーク市の治安は回復いたしました。それは、犯罪学者ジョージ・ケリング博士の割れ窓理論に基づいて徹底した落書き消しと軽犯罪の取り締まりを行ったからであります。
 割れ窓理論は、小さな犯罪こそが大きな犯罪を引き起こす引き金になるというものです。割れた窓ガラスをそのままにしておくと、建物は十分に管理されていないと認識され、他のガラスも割られ、やがて建物全体が荒廃するという理論であります。同様に、小さい犯罪を放置しておくと、それまで治安がよかった地域でも住民や警察の目が行き届いていないと判断され、他の犯罪を誘発し、やがて凶悪犯罪まで発生するというものです。このように、割れ窓理論では割れた窓ガラスを最初に修復することが大切であると言われています。
 そして、小さな犯罪から大きな犯罪につながる可能性のある例といたしまして、落書きは盗品の油性スプレーペンキで自分のニックネームなどを崩し字にし、一晩で百件近く物件に落書きすると言われています。これは印をつけるタギングと呼ばれる犯罪行為です。最近はほとんど見かけなくなりましたが、落書きの中には一見意味不明の文字にまざって個人宅の留守の状況を窃盗団に知らせる探偵部隊の暗号が存在することがあります。意味不明な落書きと放置しておくと、大きな犯罪につながる可能性があるということです。特に繁華街に多くありますが、これは繁華街に限った問題ではありません。例えば、人の目につきにくい場所であればあるほど落書きが大型化し、まち全体に悪いイメージを植えつけてしまう例もあります。
 落書きの常習犯はアートと称し、一カ所だけでなく、地域をまたぎ何カ所にも書くことから、愛知県として取り組んでいかなければならない問題であると思います。
 愛知県警が認知している落書きによる器物損壊の被害届は、昨年、愛知県内で二百二十七件、そのうち繁華街を受け持つ中区内では三十八件あり、過去十年の中で最多であります。もちろん、この数字は実際に落書きをされた方の数字ではなく、あくまでも警察に被害届が出された数字であります。そして、落書きを消す行為を行わなければ、最低でも一年にこれだけの落書きがふえているということにもなります。中区内につきましては、愛知県が平成十六年に落書き対策を盛り込んだ安全なまちづくり条例を定めてから十数年たっても落書きが減少していない状況にあることから、さらなる対策の強化が必要であります。そればかりか、愛知県内では住宅対象侵入盗や自動車盗の被害が多発しており、割れ窓の理論でいえば、落書きのような小さな犯罪も放置するのではなく、徹底した対策が必要であると思います。
 小さな犯罪を見過ごさないためにも、これまで以上に、県警の取り締まりはもちろんのこと、官民一体となった取り組みを推進していくことが犯罪抑止につながると思います。
 平成十四年、岡山県は日本最大の落書き被害県としてテレビで放映されたことを契機に、落書き禁止を含む条例を制定いたしました。そして、県民に落書き防止と消去を呼びかけ、これに呼応する形で市民ボランティアが発足し、県民運動へとつながりました。
 この取り組みのすばらしいところは、自治会や商店街連盟、町内会、PTA、消防団、県職員が地域で取り組んでいくことで新たな触れ合いが生まれ、世代間交流にもつながるということです。そして、落書きという共通の問題に協力して取り組むことで、住民同士の連携が強化され、他の課題に取り組む足がかりになるとも思います。
 また、落書きを消す行為は他人の痛みを実感する行為でもあり、美観を維持したり原状回復するだけでなく、思わぬ副産物があります。アメリカでは既に犯罪者や少し道を踏み外した人の更生教育にも導入され、犯罪者の更生に大きな成果を上げているとも言われています。
 このように、落書き消しという共通の目的から地域活動へとつながり、地域防犯力の向上、地域コミュニティーの形成、犯罪者の更生教育とさまざまな分野へ波及していることがわかります。
 現に、私の地元である女子大小路と呼ばれる栄東地区でも、先日の朝日新聞で紹介されたように、自治会の皆様方が落書き消し活動から地域防犯力の向上につなげる取り組みが紹介をされていました。落書きを消し、きれいに清掃した駐車場にはポイ捨てがなくなり、専門学校生に絵を描いてもらった花壇には野外排せつがなくなったそうです。
 あいちビジョン二〇二〇に掲げる、犯罪がなく安心して暮らせる地域社会の実現のためには、地域防犯力の向上が不可欠であり、そのためには地域の目となる自治会や自主防犯団体の活動を支援していくのも必要になってくると思います。
 そこでお伺いいたします。
 他人の家や塀に落書きをした場合は建造物損壊の疑いで逮捕されますが、刑事事件として扱われても、建物の原状回復には民事で争うことになり、多額の費用と時間がかかるためそのままに放置されているケースがほとんどであります。まさに、県民の財産が守られていないと思います。もちろん書かせないのが一番でありますが、逮捕されるのも現行犯逮捕もしくは防犯カメラで犯人が特定できた場合に限られていると思います。そこで、岡山県のように、地域の自治会や自主防犯団体に行政の行き届いていないところを一部地域に委託するなど、協働して官民一体となって落書き対策に取り組んでいくことが必要であると思います。
 県として、落書きを防止または消去するために、今後どのように対処されていくのか、県民生活部長にお聞きをいたします。
 次に、障害のある方の雇用促進に向けた取り組みとして、就労アドバイザー制度の充実について、サービス管理責任者講習の充実について、二つの観点から質問させていただきたいと存じます。
 私は、平成二十三年から地元の若手有志とともに、地元中区を中心にNPO法人として独居高齢者や地域で手助けの必要な方々の支援を行っております。その地域活動を通じ、障害のある方の支援を行っている事業所の方々やボランティア団体、実行委員会の皆様方と一緒に活動させていただく機会をいただきました。
 そんな御縁があって、五年ほど前から名古屋障害者青年学級連絡協議会が主催する福祉の日文化祭、三百人規模で開催される青年学級合同運動会に毎年参加をさせていただき、文化祭終了後の懇親会では、ボランティアの人材育成や学習研究、障害者青年学級のあり方、社会教育等について、実行委員会の皆様や父母の皆様と意見交換をさせていただき、障害のある方を取り囲む環境について考える機会をいただいております。
 そんな中、平成二十五年の通常国会において、障害者の雇用の促進等に関する法律が改正をされました。この改正では、精神障害のある方を法定雇用率の算定に加えることや、企業に対して、障害を理由とする差別的取り扱いを禁止することと合理的配慮の義務を課したものであり、政令によって平成二十五年四月から障害のある方の法定雇用率が二%へと引き上げられました。
 愛知県は、法定雇用率を上げるための取り組みとして、今議会にも上げられていますが、障害のある方を雇用した企業に奨励金制度を設け、五十人以上の事業所の法定雇用率を現在の一・八五%から二%に引き上げるための政策を打ち出されております。もちろん企業の積極的な採用を促す意味では効果的であると思いますが、それ以外にも、環境整備を進めていけば企業の法定雇用率向上につなげていくことができると思います。
 一般的に障害のある方が一般就労を目指す流れとして、特別支援学校から直接企業へ就職するケースと、就労系の障害福祉サービスを利用して一定期間の就業訓練の後、一般就労を目指すケースに分かれます。実際の数値で見てみますと、平成二十七年三月に全国の特別支援学校を卒業した二万五百三十二人を対象に文部科学省が発表した実態調査の数字では、特別支援学校から一般企業への直接就労が二八・八%、就労系障害福祉サービスを利用する方が六二・一%、残り約九%の方は大学への進学や医療機関等で生活を送られています。
 愛知県もさまざまな制度を設け、愛知県教育委員会、産業労働部、健康福祉部と部局もまたぎ取り組みを行っておりますが、今回の質問では、その中でも特別支援学校から一般企業への直接雇用率を高めるための取り組み、そして、職業訓練やマナー習得を行いながら一般就労を目指す就労系障害福祉サービス施設から一般企業への雇用率を高めていく取り組みについて、具体的な提案も含め、取り上げていきたいと思います。
 本来であれば、特別支援学校から直接就労することが一番理想的であります。障害のある特別支援学校の生徒にとって、就労は自立と社会参画を目指す上で大変重要であり、特別支援学校における就労支援を一層充実していく必要があると思います。現在、愛知県は特別支援学校からの就職率は三九・九%と、全国平均の二八・八%を大きく上回っております。その背景には、日ごろの先生方の地道な指導や就職先の開拓への努力の結果であると思います。しかしながら、昨今の厳しい経済状況により、平成二十年度からは就職率も徐々に下がっていて、全国平均より高い就職率は保っておりますが、現在では就職先や実習先の確保が難しくなっている状況にあります。
 このような状況を打破していくために、県としては平成二十七年度から就労アドバイザーを県内の特別支援学校に二名配置し、多数の新規企業の開拓により実習先が拡大し、まだわずかではありますが、そこから就労に結びついたケースもあるなど実績を上げています。
 就労アドバイザーとは、特別支援学校に配置され、在学中に個人の能力や適性に応じたアドバイスを送り、個人の能力や希望に応じた就職を発掘し、一般就労につなげるための専任職員であります。現に、就労アドバイザーを配置した平成二十七年度は、前年度に比べ三・二%就職率が向上しております。
 そこで、就労アドバイザー制度を設けている他県の取り組みに目を向けてみますと、東京都では、就労支援アドバイザーを三十名配置し、保護者向け理解啓発講演会、生徒向けビジネスマナー講習会、企業開拓、職務分析、助成金対策セミナー、就労先企業等への助言を行っております。また、就労アドバイザーも各分野の専門家を集め、企業関係者、大学関係者、支援機構、社会労務士等で構成をされております。また、調べた限りではありますが、約二十の都道府県で同様の制度が用いられ、愛知県でも就労アドバイザー制度の充実が図られることを期待するものであります。
 そこでお聞きいたします。
 今後、特別支援学校の就労支援をさらに充実されるためにどのようなお考えがあるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。
 次に、特別支援学校卒業生の六割以上の方が利用し、一定の職業訓練やマナー習得を行った後、一般就労を目指す就労系障害福祉サービスの充実について質問いたします。
 平成十八年、障害者自立支援法が施行され、授産施設が現在の就労移行支援事業所、就労継続支援A型、就労継続支援B型、地域活動支援センター事業に再編されました。
 これを簡単に説明いたしますと、就労移行支援事業所は、二年間の期限を設け、職業訓練やマナー習得などを行い、一般就労を目指す施設であります。就労継続支援A型は、一般企業での雇用が困難である方や就労移行支援事業所から就職がかなわなかった方が事業所に雇用される形で期限を設けず職業訓練やマナー習得を行い、一般就労を目指す事業所であります。そして、就労継続支援B型は、雇用契約に基づく就労が困難である方や、就労経験はあるが年齢や体力的な理由で雇用が困難になった方に対して、就労の機会や生活活動の支援を行う事業所であります。
 就労系障害福祉サービスからの年間就業率は、平成二十五年で就労移行支援事業所からは二四・九%、就労継続支援A型からは四・九%、就労継続支援B型からは一・六%の利用者が一般企業への就職が決まっております。統計を取り出した平成二十年は千七百二十四人であったのに対し、平成二十五年には一万一人と就労系障害福祉サービス施設からの就労者が大幅に増加していることがわかります。しかし、事業所等に実態調査を行うと、幾つかの点を改善すればさらに就労系障害福祉サービス利用者を一般就労につなげられる可能性があることがわかりました。
 まず一つは、就労系障害福祉サービス事業所に設置が定められているサービス管理責任者資格であります。
 サービス管理責任者は、施設のサービスの質を確保するための中心的な役割を担う人材であります。現在、就労系障害福祉サービス施設に設置義務のあるサービス管理責任者は、介護福祉等の資格に応じて障害のある方の保健、医療、福祉、就労、教育の分野における直接支援、相談支援などの業務において五年から十年の実務経験のある者が各市町村を通じて申し込みを行い、都道府県が実施する研修を修了することにより資格が取得できる流れになります。
 しかし、本県では、平成二十八年度は名古屋市内で受講希望者の五二・七%、その他の市町村で五八・九%しか受講できておらず、愛知県内全体では、受講資格があるにもかかわらず実際に受講できている方は五六・八%と約半数の方しか研修を受講できていないことがわかります。しかも、現在は一年に一回しか研修が行われていないため、毎年申し込んでいるにもかかわらず何年も受講できていない方もおみえになると伺っております。
 そして、新聞でも問題視されていましたが、サービス管理責任者の設置が義務づけられているにもかかわらず、サービス管理責任者が退職等で不在の施設は愛知県内に十施設存在し、専門知識がない人が計画をつくることから、自治体から支給される報酬が三割減算をされている状況にあります。
 今後、就労系障害福祉サービス施設の経営の安定やサービスの充実を図り一般就労につなげていくために、サービス管理責任者研修枠の拡充は必要不可欠であると思います。
 先日の一般会計決算特別委員会でもこの問題に触れさせていただきましたが、受講希望者が増加傾向にある中、愛知県内ではサービス管理責任者研修の受講枠が不足をしていることから講習が追いついておらず、今後は受講枠をふやしていくことを検討していかなければならないとの答弁がありました。
 そこでお聞きします。
 就労系障害福祉サービス施設に設置義務のあるサービス管理責任者研修が追いついていない中で、県と同様の事業所指定の権限のある政令市内の希望者については、政令市に委託するなど受け皿をふやす必要があるかと思いますが、いかがお考えかをお聞かせください。
 そして、現在サービス管理責任者資格は、生活介護、グループホームなどの介護施設から就労系障害福祉サービスまでが多岐にわたっており、今まで以上にサービスを充実しようと思うと現場のニーズに対応できる専門性が求められてくると思います。より専門性を高めるために、研修体系を一度の養成研修のみでなく、サービス管理責任者取得後も更新研修によるフォローアップの機会と、さらに、みずからの専門分野やマネジメント分野のスキルアップのための研修機会を提供できるように検討していくべきであると思います。
 今後は、地域で活躍するサービス管理責任者に対して、個々のニーズに応じた研修などのプログラムを実施するなど、資格の専門化や地位の向上にも努めていくべきであると思いますが、県としてどのようにお考えか、お聞かせください。
 このように、障害のある方の一般就労には、個人の障害に応じたサービスの提供や情報の提供、さらには企業とのマッチングが重要であり、愛知県としても部局で連携を深めたプラットホームの整備が必要であると考えます。今後は障害のある方を取り囲む環境を充実させていくことで、日本一障害者に優しいまち愛知を目指していただきたいと思います。
 各質問に対し、理事者の明確な答弁を期待し、壇上からの質問を閉じさせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)

◯県民生活部長(川島毅君) 落書きに対する県の取り組みについてのお尋ねでございます。
 ビルの外壁やシャッターなどへの落書きは建造物損壊罪や器物損壊罪となる犯罪であり、まちの景観を損なうだけでなく、放置すると周囲にも被害が広がるおそれがあり、他の犯罪を誘発する要因ともなります。
 落書きをなくすためには、地域住民のパトロール等による監視や落書きがしづらい環境づくりが大切であり、改めて地域を点検し、清掃するなどの美化活動に地域を挙げて努めることは大変重要でございます。
 このため、県では、安全なまちづくり県民運動やあいち地域安全県民行動計画に基づいた取り組みの中で、落書き対策も含め犯罪の防止及び環境の浄化を県民総ぐるみで推進してまいりました。
 来年度はこうした取り組みに加え、地域の特性に応じた効果的な防犯活動の企画を自主防犯団体から募集、実践する事業に、落書きの防止及び消去に関する新たなメニューを追加し、自主防犯団体などの落書き防止に向けた取り組みを支援してまいります。
 また、各団体が取り組んだ結果を市町村などの意見を踏まえて検証し、効果的な対策に向けてさらに検討をしてまいります。
 今後も、行政、自主防犯団体、関係機関等が連携し、落書き防止、さらには犯罪を起こさせない環境づくりに向けて取り組んでまいります。

◯教育長(平松直巳君) 特別支援学校の就労支援についてお答えをいたします。
 障害のある生徒の自立と社会参加を目指した就労支援の充実は重要な課題と認識しており、愛知県特別支援教育推進計画にも位置づけて、関係機関と連携した就労支援の充実に努めております。
 これまで特別支援学校では、進路担当者が直接企業等へ足を運び、理解を求め、実習や就職の連絡、調整などの就労支援業務に取り組んできており、全国平均より高い就職率を維持してまいりました。
 議員お示しの就労アドバイザーにつきましては、平成二十七年度から拠点となる特別支援学校二校に各一名配置し、年間二百社を超える企業を訪問し、実習先や就職先の開拓を行っております。
 こうした取り組みにより、平成二十七年度の特別支援学校高等部卒業生八百七十五人のうち、一般企業等への就職者は過去最高の三百四十九人となり、就職率は三九・九%となりました。しかしながら、推進計画に掲げました一般就労の就職率五〇%の目標には届いていない状況であり、就労支援のさらなる充実を図る必要がございます。
 そのため、来年度からは新たに就労アドバイザーや学校の進路担当者が企業等を訪問する際に活用するタブレット型端末を全ての県立特別支援学校に配備し、卒業生の職場での様子や学校の職業教育の様子などを映像で紹介することにより、障害のある生徒についての理解を深めていただき、実習や就職につなげていきたいと考えております。
 今後も、一人でも多くの生徒が企業等に就職できるよう、引き続きしっかりと支援し、障害のある生徒の自立と社会参加を促進してまいります。

◯健康福祉部長(長谷川洋君) サービス管理責任者研修の充実、受講枠の拡大についてでございます。
 障害福祉サービス事業所に必ず配置することとされておりますサービス管理責任者の研修につきましては、受講申し込みの増に対応するため、平成二十五年度に六百十人の受講定員で実施しておりましたものを順次拡大し、本年度は七百八十九人といたしました。
 しかしながら、今年度の研修におきまして、申込者の約四割の方が受講できないことが見込まれましたことから、現にサービス管理責任者が欠員となっている事業所の方に優先して受講をしていただくなど、サービス管理責任者の欠員による事業所の運営やサービスに極力支障が生じないよう対応してまいりましたが、まだまだ申し込みいただいた全員の方に受講いただけない状況でございます。
 このため、来年度におきましては、従来からの県実施分七百八十人に加えまして、名古屋市内の事業所を対象とした四百人分の研修を新たに名古屋市にお願いをすることといたしまして、できるだけ受講希望をかなえられるよう受講枠の拡大を図ってまいりたいと考えております。
 名古屋市と協働して実施していくことによりまして、今年度ベースで見込んだ場合、八割を超える方に受講していただけることになり、大幅な改善につながるものと考えております。
 次に、サービス管理責任者の専門化や地位向上についてでございます。
 サービス管理責任者の役割は、多岐にわたる障害福祉サービスの種別ごとに、サービスの提供に係る個別の計画作成と評価を行うことでございます。このため、サービス管理責任者研修の実施方法につきましては、厚生労働省告示で示されているところでございまして、介護の分野、知的障害者または精神障害者の地域移行の分野、身体障害者の地域移行の分野、就労の四分野に、障害児の支援に関する分野を加えました、合わせて五分野で実施をしているところでございます。
 しかしながら、これまでサービス管理責任者には更新制度は設けられておりませんで、適切なサービスを提供していくためには継続的な資質向上が重要だと考えられますことから、本県ではサービス管理責任者として二年以上の従事経験のある方を対象としてフォローアップ研修や障害者虐待防止・権利擁護研修を実施してまいりました。
 今後、国においては、平成三十年度を目途に更新制度も視野に入れた研修カリキュラムの見直しの動きもありますので、本県といたしましては、こうした国の動向を注視しながら、適切に対応して、サービス提供の中心的な役割を担うサービス管理責任者の専門性を高め、地位向上を図ってまいりたいと考えております。

◯知事(大村秀章君) ますだ裕二議員からの質問のうち、障害者雇用の促進について、私からも何点か申し上げさせていただければというふうに思っております。
 まず、特別支援学校からの就労支援、これは大変大事なことでございますので、先ほど教育長が申し上げましたようにしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。体制を充実させ、取り組んでまいりたいと思いますが、ちなみに、三年前、田口高校に、豊橋特別支援学校の分教室、山嶺教室を設けましたが、そのときに入学した子供たちがこれでもう、この三月で卒業ということですが、豊根村から行った二人の子供は、学生は、無事就職が決まりましたので、四月から笑顔でしっかり働いてもらうことを期待いたしております。
 そして、サービス管理責任者研修の受講枠の拡大等々、これにつきましても、今部長から申し上げましたように、名古屋市とも協力してふやしていきたいと思います。
 幾つか実例を申し上げながら、障害者雇用の促進、昨日の渡会県議からの質問にもありましたが、やはり障害者の雇用の促進については、関係者、本当に頑張っていただいておりまして、実数として、大阪、東京、愛知というのは大体六千ぐらいで、ハローワークを通じてですけど、並んでいるということで、みんな頑張っていただいているんですが、やはり全体の雇用の枠が大きいので、率としてもまだまだこれからやらなきゃいけないことがたくさんありますが、二点ほど、私、ちょっと実例を申し上げたいと思いますが、私は今から七、八年前、国会議員の折に、蒲郡にデンソー太陽という福祉工場がありまして、そこに視察に行きました。大分県にある太陽の家という、昭和四十年にできたんですかね、有名な障害者の就労支援施設がありまして、その理念を持ってきてデンソーさんと共同で太陽の家愛知事業本部ということで就労支援施設、そしてその隣に、主にメーターをつくっているデンソーさんの特例子会社をつくって、まさに福祉工場という形でやっておられました。
 その生産管理の責任者は、メーターですから、デンソーの高棚工場ですから、それは私の同級生の牧野君というのがやっていまして、それが見に来い、見に来いと言うから行ったら、懇切丁寧に説明してくれたんですが、中にはやっぱり、車椅子ではありますけれども、上半身健常者と一緒で、もう神わざのような手さばきであって月収三十万円以上稼いでいる、そういう方々でありますとか、あと、やはり知的障害の、同じような作業しかできないという方々には、彼が言うにはやっぱりトヨタ生産方式というのはいいんだと。作業を非常に標準化していくので、こういう能力のある人には、健常者と同じ能力のある人はばかばかやってもらうと。同じような作業しかできない方はそういったものにあわせて作業をやってもらうという形で、その福祉工場の中だけで十種類ぐらいの作業工程に分けて、管理するのは大変だけれども、やりがいがあるんだということを言っていただいたのが本当に今でも非常に感銘というか、覚えております。
 結局、どうなっているかというと、当時、国内でつくっているデンソーのメーターの四分の一がもうデンソー太陽って。海外でつくるのは安いんだけれども、あえてここに回しているということを彼は言っておりました。非常に印象に残っております。そういった事業所を、我々、しっかり応援していかなきゃいけないのではないかと思います。
 そして、もう一つ、先々週、私のところに名古屋にありますAJU自立の家の皆さんが報告に来られました。
 二年前の四月に小牧にワイナリーをつくったんです。総事業費が五億六千何百万円ですが、愛知県も福祉事業ということで九千万を超える補助を出しておりますが、おととしの秋に仕込んで、いよいよこの三月十日からこのワイン、信長ワインというのが販売になるということで、私のところに報告かたがた来ていただきました。
 これは、就労支援施設の、就労移行と就労継続支援B型、特にB型で三十四名の方を雇用しておりますが、ここのAJU自立の家の常務の山田さんという人が、最初から月額の給料十五万円を出したいということをずっと言っている。今回そのためにワインをつくり、これは県も補助をし、土地は小牧市が用意し、無償で貸して、ブドウは山ですから、そこは県の農業試験場が指導してつくると。もうこれで二年になりますが、ようやく初めて市販することができる。それも、信長ワインとつけたのは、日本で初めてワインを飲んだ日本人は信長だろうと言われているんですね。宣教師ルイス・フロイスが献上した。ですから、わざわざポルトガルまでその当時のワインのものを探してきて、そしてポルトガルのワインとブレンドして今回売り出すのが信長ワイン。ちなみに、その信長ワインの信長というのを書いてくれと言うから、私が書きましたけど。
 当初、ですから初年度は一万本売ると、これは売れると思います。ちょっとしたイベントでも数千本売れるそうですから。将来的には、やっぱり十万本、年間で売りたいと。そうすると、人件費に七千万充てられると。そうすると、三十四人雇うから一人当たり年間二百万円は払える、そうすると十五万円の月額になると。これは私、決して無理なあれじゃないと思うんですね。ですから、ぜひそういったことも含めて、やはりいろんな形で障害者の方の雇用をふやせるような、そういった形の施策をまた皆さんと一緒に考えて実行していきたいと思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 以上です。

◯十番(ますだ裕二君) 知事に非常に思いのある答弁をいただきましてありがとうございました。障害のある方に対しての要望というのはやめさせていただきます。
 最後に、落書き防止に関する取り組みについて要望させていただきたいと思います。
 今回、落書きに対する質問に際し、地域ボランティアで落書き消しを行っている方々に話を伺ってまいりました。そこで伺ったお話の中で、今まで自分が何もできていなかったことに非常に恥ずかしくなりました。それは、他人の家の塀に書かれた落書きを消す作業を行うときに、落書きを消してあげるという気持ちで挑むのではなく、落書きを消させていただきたいと、落書きをされた家にお願いに上がらせていただいているということでありました。作業の日までに何度も落書きされたお宅を訪問し、同意をいただいてから作業を行うというものです。それは、地域に落書きがあると治安は悪化してしまうため、落書きを消すことで地域の防犯力向上につながり、地域のきずなが深まることを目的としているからです。
 岡山県のように、落書きに特化した条例はありませんが、県民一人一人が自分たちの地域を大切に思う住民自治の形で地域の安心・安全が守られているということがわかりました。
 そこで、先ほどの答弁でも、落書き消しを行う団体に対しても新たに委託先として助成対象に加えていただき、支援をしていただけるということでありました。これは大きな第一歩であると思います。
 今後も、小さな犯罪から大きな犯罪につながらないように、行政と県民、民間企業が一緒になって取り組める持続可能な仕組みをつくり上げていっていただきたいと思います。そして、この助成金を活用した事業の成果発表の場も有効に活用していただき、県民運動につながるような環境整備を愛知県が主導して行っていただきますことを強く要望いたしまして、質問を閉じさせていただきたいと思います。