平成30年6月定例会 6月21日

◯十二番(ますだ裕二君) それでは、通告に従い、順次質問してまいります。
 私からは、全ての人が輝く愛知を目指して、高次脳機能障害のある方を地域で支える取り組みについて、稼ぐ観光の推進として、ナイトタイムエコノミーの推進による消費機会の創出について、キャッシュレス環境整備による観光消費の拡大について順次質問してまいります。
 家族が突然、高次脳機能障害になった子どもの作文集より抜粋。題は、あの時の光景。
  私の弟は、高次脳機能障害を持っている。それは、弟
 が小学生のとき、物すごいスピードを出していた車には
 ねられてしまうという交通事故に遭ってからだ。あのと
 き、瞬間のことはいつまでも鮮明に覚えている。私も姉
 も同じ小学校で、みんなで一緒の朝の通学のときだっ
 た。あのときの光景は忘れることはない。
  そんな事故からはや十年がたつ。あっという間のよう
 で、長いような気もする。弟も知的能力は三歳児程度で
 とまったままだが、体はどんどん成長し、母が介護する
 のにも大分しんどくなってきた。
  弟のことに関して強く思うのは、何があっても家族で
 あり、大事ないとおしい存在だということ。弟のことに
 関して不安なことを言えば、やはり将来のことである。
 今までずっと母や父が主となり面倒を見て、介護してき
 た。母も体力的に、自分よりも体重があり、力が強い弟
 を介護し続けるのには無理がある。
  現在、弟は作業所に通い、朝出かけていって夕方に帰
 ってくる。いつか、姉と私、そして弟の三人になったと
 きどうするべきか。姉とはたまにそういう話をするが、
 答えはわからない。ただ、弟のことは大切な存在、ずっ
 と寄り添ってあげたい気持ちは確かなので、私たち家族
 なりにこれから検討していこうと思う。そのために、世
 の中にもっとそういった家族のこと、当事者のこと、さ
 まざまなことを共有できる仕組みがあればいいと思う。
 これは、高次脳機能障害のある方を抱える家族が書いた作文集からの抜粋です。
 高次脳機能障害とは、交通事故による脳外傷や脳の病気による後遺症などから、誰もがある日突然見舞われる可能性のある障害です。その症状は、脳の損傷部位によって異なりますが、注意障害や遂行機能障害など、障害も多岐にわたり、障害によっては自覚症状がないことから、見えない障害と言われることもあります。
 気づかれにくい症状としては、感情のコントロールが困難になったり、集中力が続かなかったり、見た目では判断がつかない症状もたくさんあります。
 先日も小室哲哉さんの妻のKEIKOさんが高次脳機能障害であることを公表し、障害と葛藤する様子を小室哲哉さんがテレビなどで伝えられていました。
 私自身も、仲間と立ち上げたNPO法人で一緒に活動しているメンバーの中に高次脳機能障害を抱えているメンバーがいたことから高次脳機能障害について考えるようになり、全国各地で開催されたセミナーや勉強会、家族の交流会に幾度となく参加をしてまいりました。
 ことしの二月に大津市で開催されたアメニティーフォーラムでは、高次脳機能障害に対する他県の取り組みが紹介され、国から地方自治体への具体的な要望が上げられていました。その具体的内容は、平成十八年十月の障害者自立支援法の定めにより、高次脳機能障害と診断された方は、都道府県が行う地域生活支援事業を受けることができますが、県により支援策にばらつきがあり、受け皿となる支援機関の充実や地域偏在の是正、また、障害に合った支援をコーディネートする支援コーディネーターの増員など、支援の充実を求められる声が上げられていました。
 そして、その講演会をきっかけに、脳外傷友の会の皆様や国会議員の先生方との意見交換を行い、現状の課題が明確になってまいりましたので、今日の質問に至りました。
 きょうもお越しをいただいておりますけれども、愛知県内の脳外傷友の会の皆様には、質問に際し、問題提起のためのアンケート調査に御協力をいただきましたことに、この場をおかりして心より感謝申し上げます。
 まず、皆様に御協力をいただきましたアンケート調査から読み取れる具体的な課題をお伝えしたいと思います。
 アンケート調査の結果、約三三%の方が最初に受診した病院で高次脳機能障害に対しての適切な診察を行っていただけなかったとの回答がありました。また、高次脳機能障害発症後、約六〇%の方が福祉サービスを受けることができるまでに数年かかり、その年数は平均で三年五カ月にも上ることがわかりました。そして、高次脳機能障害と診断されるまでに、幾つかの科を受診し、脳外科や神経外科など、平均で二・七の診療科目を受診されていることがわかりました。
 このように、アンケート調査から読み取れるのは、適切なアドバイスのできる支援コーディネーターが不足し、十分な支援につなげられていないことや、居住地の近くに相談できる支援機関がなく、十分な支援が受けられないことが問題点として浮き彫りになってまいりました。
 参考までに、現在の愛知県では、名古屋市瑞穂区にある名古屋市総合リハビリテーションセンター一カ所の支援拠点で、支援コーディネーター三名体制で高次脳機能障害のある方の支援を行っています。
 そこで、愛知県では不足していると思われるコーディネーターの育成事業を行っている岐阜県と、地域偏在の是正を図るために支援拠点の増設を計画している京都府を視察させていただきました。
 まず、岐阜県では、平成二十二年から二十四年度に障害健康福祉圏域に配属するコーディネーターの育成事業を実施し、地域の相談支援事業所に四名ものコーディネーターの育成に成功し、四つの相談支援事業所でそれぞれ相談事業に当たっているとのことでした。
 コーディネーターが増員されるまでは、岐阜県下を一名の支援コーディネーターで相談業務に当たり、かなり負担が大きかったそうであります。育成事業の実施により、岐阜県では、平成二十八年度実績でコーディネーター一人当たりの相談請負件数を年間千二百九十九件から三百二件にまで減らすことができています。
 そして、その事業の成果を得て、平成二十八年から三十年度もコーディネーター育成事業を実施し、さらなるコーディネーターの充実を図る計画であるとおっしゃっていました。
 ちなみに愛知県は、支援コーディネーター一人当たり年間千三百件以上の相談を請け負っています。この数字を岐阜県の担当者に伺ってみると、多忙をきわめ、十分なサービスにつなげられていないのではないかという声が聞かれました。
 次に、今年度、支援拠点を増設に向け準備を行っている京都府に話を伺ってまいりました。
 京都府では、京都市内に一カ所の支援拠点を設けていますが、京都市内へのアクセスが悪い京都府北部での相談に十分に応えることができていないとの判断で、北部地域にももう一カ所の支援拠点を設け、地域偏在の是正を図るとのことでありました。
 そして、京都府北部地域に支援拠点が増設されると、京都市内の支援拠点に長時間かけて通院される負担も軽減され、さらに京都府北部に支援コーディネーターが配置されると、地域で高次脳機能障害のある方を支援する体制が充実するとのことでありました。
 岐阜県と京都府の担当者がおっしゃっていたのは、愛知県は、高次脳機能障害の取り組みに関してはモデル事業的なことを行っており、愛知県の取り組みを採用する自治体もあるほど影響力が強い、愛知県での相談件数が多いのは、高次脳機能障害では愛知が進んでいるイメージがあるからだと指摘されました。
 そんな各地域からの期待をいただいている愛知県には、ぜひとも全国のモデルとなるように取り組んでいただきたいと思います。
 そこでお聞きいたします。
 現在、愛知県では、三名の支援コーディネーターで年間約四千件もの相談を抱え、近年も増加傾向にあります。この数字は、さきにも述べましたが、異常な数字であり、他県の担当者も驚いておられました。愛知県でも支援コーディネーターが不足すると思われる中で、岐阜県のように地域の相談支援事業所にコーディネーターを配置するなど、具体的な解決策はあるのかお聞かせください。
 次に、愛知県は支援拠点が名古屋にしかなく、アンケート調査から読み取れるように、通院に多額の費用と時間を要していることがわかります。京都府のように、支援拠点を増設し、地域で高次脳機能障害のある方々を支える仕組みを構築していく必要があるかと思いますが、本県としての考えをお示しください。
 全ての人が輝く愛知の実現として、高次脳機能障害を抱える方々が安心して地域で暮らすことのできるような答弁を期待し、次の質問に移らせていただきたいと存じます。
 国は、二〇〇八年に観光庁を設立し、観光立国に向けた取り組みを推進してから十年がたち、これからは稼ぐ観光への転換が求められてくると思います。
 そこで、今回の質問では、稼ぐ観光の推進として、ナイトタイムエコノミーの推進による消費機会の創出とキャッシュレス環境整備による観光消費の拡大により、地域の稼ぐ力の創出を目的に順次質問をしてまいりたいと思います。
 そして、この質問に関しましては、本来であれば観光振興のみならず産業振興の観点からも質問させていただきたいと思っておりましたが、本年度は産業労働委員会に所属をさせていただいておりますので、商店街や小規模事業者を含む産業振興に関しては来週開催される委員会で質問してまいりたいと思います。
 まずは、ナイトタイムエコノミーについてお聞きします。
 ナイトタイムエコノミーとは、簡単に言えば夜遊び経済であります。多くの訪日外国人は、日本のナイトライフに不満を感じていて、ホテルのレストランや温泉旅館で食事をした後に楽しむことのできる施設の充実を心待ちにしているようです。
 日本政策投資銀行が二〇一六年に訪日外国人を対象に行った調査では、伝統的な日本料理や自然や風景の見物、温泉での入浴に満足と答えた一方で、外貨の両替所が少ない、夜遊ぶところがない、通信機器の利便性が悪いなどの酷評もあります。
 実は、この酷評こそが稼ぐ観光につながる最も重要な部分で、観光消費の拡大や消費機会の創出をしていかなければ、滞在期間の短縮にもつながり、他の地域への通過点となってしまいます。
 現に、愛知県は、宿泊を伴う外国人観光客の滞在ランキングで全国三十位となっており、中部国際空港がゲートウエーにはなっていますが、愛知県は通過点になってしまっていることがわかります。
 国内でも、既にナイトライフの充実が訪日外国人の滞在期間の延長や地域経済活性化の糸口になると考え、ナイトタイムエコノミーに取り組む自治体も出てきています。
 千葉県では、美術館を開放し、ディスコイベントや、飲食店五十店で大道芸人らのパフォーマンスを楽しむイベントを八月に開催するそうであります。
 また、兵庫県姫路市では、姫路城を夜間開放し、イルミネーションなどのイベントを開催し、十七日間で約九万人の人が訪れたそうであります。
 このように、我が国は、風営法改正以来、ナイトクラブやエンターテインメントは朝五時まで営業できる国になったことから、夜間の時間創出の環境は整っており、それを活用する自治体も出てきております。
 大阪府では、大阪の夜を楽しむことのできる観光コンテンツとしてナイトカルチャーの創出を図ることを目的とし、主に外国人旅行者を対象としたナイトカルチャー事業の立ち上げなどに必要な経費を補助する取り組みを実施しています。本事業により、大阪の都市魅力が向上し、交流人口の拡大、消費喚起、まちの活性化が期待されるところです。
 このように、各自治体がしのぎを削って本気で稼ぐ観光に乗り出している状況であります。
 そこでお聞きいたします。
 訪日外国人が参加する自然観光や歴史観光を主力とする我が国の観光資源は、その多くが昼の時間帯に集中しています。その時間帯に新たな観光資源を追加したとしても、実は限られた観光客の滞在時間と消費機会を既存の観光資源と奪い合うことになり、必ずしも効果的に観光客を増大させることはできないと思います。
 そこで、愛知県では、新たな観光消費機会の創出として、ナイトタイムエコノミーをどのように捉え、また、取り組んでいくのかをお聞きいたします。
 次に、稼ぐ観光を進めるもう一つの手法であるキャッシュレス化についてお聞きいたします。
 初めに、キャッシュレス化に対する世界の動向をお話ししたいと思います。
 世界で進む決済改革が経済のあり方を変えようとしている中で、現金大国の日本ではキャッシュレス化のおくれが目立っています。大きな要因となっているのは、名目GDPに対する現金流通の比率が高いこと、そして、貨幣の印刷技術が高く、にせ札の発生率が低いため、紙幣への信頼度が高いとされています。参考までに、国立印刷局によると、にせ札発生率は、ユーロが日本の二百二十三倍、ドルが日本の六百五十九倍であります。
 このような背景の中で、日本では、キャッシュレスのおくれを取り戻すために、政府として二〇二五年までにキャッシュレス決済の割合を四〇%に高めるという目標を掲げ、経済産業省は六月にも産官学の協議会を設置し、店舗向け税制優遇や助成金などの方策を検討しています。
 日本を訪れた外国人のうち四割の方が現金偏重の現状に不満を抱いており、二〇二〇年に訪日外国人客が目標の四千万人に達成した場合の機会損失は一・二兆円にも達するという試算も出ています。
 アメリカのムーディーズによると、二〇一一年から二〇一五年、電子決済の利用が拡大したことが世界のGDPを〇・一%、家計消費を〇・四%押し上げ、年平均二百六十万人もの新規雇用を創出したと発表しています。
 日本も、現金の輸送や管理、ATMの管理費に年間二兆円支出しており、人手不足に悩む流通業界でも業務の効率化に期待する声が上がっています。
 そこで、キャッシュレスの環境整備のうち、今回はスマートフォンを使うQRコード決済の環境整備による訪日中国人の獲得について考えていきたいと思います。
 QRコード決済には二つの決済方法があります。まず一つ目は、事前に口座情報などを登録すると自分のスマートフォンの画面にQRコードが表示されます。そのQRコードを店舗側のタブレット端末で読み取るだけで手軽に決済ができます。そして、もう一つは、店舗側にあるQRコードの張りつけられたボードや看板を自分の携帯電話で読み取るだけで決済することができます。双方とも、決済処理は数秒で、代金の支払いは個人口座から引き落とされるほか、あらかじめチャージした金額から差し引かれる方法になります。
 なぜ、訪日中国人にターゲットを絞り、また、QRコード決済に限って質問をさせていただくのか、これからお示しをさせていただきたいと存じます。
 二〇一七年に日本を訪れた外国人観光客は二千八百六十九万人に上ります。昨今ではさらに増加傾向にあり、三千万人に迫る勢いを見せています。その中でも、訪日中国人は訪日外国人の約四分の一を占め、二〇一七年は七百三十五万人が日本に訪れています。
 ブロック別で訪日外国人の訪問地域を見てみますと、愛知県を含む中部地方は訪日外国人観光客全体では一三・七%と関東地方、近畿地方に次いで全国三位であります。一方で、中国からの訪日観光客を見ますと、愛知を含む中部地方は二五・七%と、全体訪問率の二倍となり、多くの中国人観光客がこの愛知県に訪れていることがわかります。
 そして、最も注目したい統計は、訪日外国人全体の旅行消費額のうち三八・三%が訪日中国人であり、買い物代金額に絞ると全体の五三・五%を占め、日本にとっては一番のお客様と言えると思います。
 中国国内からの現金持ち出しが制限されている中で、訪日中国人がストレスなく代金を支払っていただくQRコード決済導入は、これから観光客誘客にはなくてはならないものではないかと考えます。
 現在、中国ではスマートフォンの急速な普及により、スマートフォンを利用したQRコード決済利用者は、二〇一三年は一億二千五百万人だったのが、二〇一七年には五億二千七百万人にふえ、年間取引金額は約三千四百五十兆円にも上ります。
 中国のQR決済サービスは、アリババが運営するアリペイと中国版LINEのようなウィーチャットペイの二社が競い合っています。中国国内では、あらゆるSNSが国策によって制限されており、LINEやフェイスブック、ツイッター、グーグルなどは一切使用することができません。そんな中で、アリペイやウィーチャットペイはスマホアプリで多様な決済ができるだけでなく、資産運用、ホテルや病院の予約、公共料金の支払いもできるようになっているのも人気の一つであります。
 そんな背景もあり、中国国内では、大手百貨店、量販店はもちろん、コンビニ、ホテル、タクシー、個人経営の店舗、屋台など、販売の規模を問わず百万店舗以上でQRコード決済が導入され、今日においても導入する店舗は急増している状況にあります。
 そして、その中国からの観光客誘客につなげようと、アジア各国でQRコード決済等のキャッシュレス化に動き出している国もたくさんあり、中国人が利用できるQRコード決済を導入している国は、一位韓国、二位香港、三位タイ、四位マカオ、五位台湾、そして日本は六位であります。
 QRコード決済は、QRコードを読み取るタブレット端末があればすぐに導入でき、先行投資も少なく、決済も数秒でできることから、日本では導入により人員を削減する店舗やレジを置かない店舗も出始めており、生産性向上や働き方改革としても大きく寄与されることが期待されています。
 このような流れを受け、各自治体でも取り組みが始まっています。
 例えば、山形県では、中国の決済サービスの中で最も多く、八億のユーザーが利用するアリペイの導入事業者に対して、東北観光復興対策交付金を活用して、インバウンド決済システム等環境整備事業を実施しています。本事業では、県内の小売業、飲食業、宿泊施設、観光施設、その他インバウンドの受け入れ拡大に意欲のある民間事業者、団体を対象として、訪日外国人旅行者の中で最も割合の多い中国からの旅客のためのインバウンド決済システム導入経費を補助しています。これにより、山形県内の外国人観光客の利便性向上による外国人観光客の受け入れ促進及び観光消費拡大を図っています。
 そこでお聞きいたします。
 この愛知を含む中部地方に多くの中国人観光客が訪れていることはわかっていますが、実際には中国からどのぐらいの方がこの愛知県に来られているのか、消費傾向などもわかればお示しをください。
 また、アリペイやウィーチャットペイなどの決済システムの導入を観光施設等に促すことにより、観光客の誘客や地域の振興にもつながると考えますが、訪日中国人が利用するQRコード決済など、インバウンド促進に向けたキャッシュレス環境整備に対して、県はどのように取り組んでいかれるのかをお聞きいたします。
 以上、順次質問をしてまいりました。理事者各位の明快な答弁を期待し、壇上からの質問を閉じさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)



◯健康福祉部長(平田雅也君) 高次脳機能障害のある方の支援についてお答えをいたします。
 まず、一点目の支援コーディネーター不足への解決策についてであります。
 高次脳機能障害は、地域で障害者の相談支援に従事している方にもまだ十分認知されていない障害であるため、高次脳機能障害のある方への相談支援や地域の関係機関との連絡調整等を行う支援コーディネーターの役割は大変重要であると認識しております。
 本県の高次脳機能障害者の支援拠点である名古屋市総合リハビリテーションセンターに配置されております支援コーディネーターは、一般的な相談から専門的な相談まで一元的に幅広く受け付けておりますが、相談件数が年々増加しておりますことから、支援コーディネーターの負担を軽減するため、専門的な相談に専念できるようにする必要があると考えております。
 このため、県としましては、市町村単位で設置されており、障害者相談支援の中核的な役割を担う基幹相談支援センターにおいて高次脳機能障害に関する一般的な相談支援を行えるよう、基幹相談支援センターの相談員を対象とした研修会を開催するなど、地域でコーディネート機能を担うことのできる人材の育成に努めてまいります。
 こうした取り組みを進めることにより、身近な地域で一般的な相談支援が行われるとともに、支援拠点においてはその専門性が発揮されるよう、高次脳機能障害のある方に対する支援体制の充実を図ってまいります。
 次に、地域で高次脳機能障害のある方々を支える仕組みの構築についてお答えをいたします。
 本県の支援拠点として指定しております名古屋市総合リハビリテーションセンターは、相談支援、医療、福祉のサービスを複合的に提供できる施設として、質の高い支援の提供に努めていただいておりますが、名古屋市内に所在しているため、他の地域から同センターまでの通所に要する時間的・経済的負担が大きいとの声もお聞きしており、県内における支援拠点の複数設置は課題であると認識しております。
 しかしながら、高次脳機能障害者の支援拠点は、市町村、医療機関、福祉施設といった関係機関との緊密な連携のもと、医療、機能回復訓練から社会復帰支援に至るまで、切れ目のない支援の提供が求められ、こうした対応が可能な機関を支援拠点として指定していく必要があります。
 したがいまして、支援拠点の複数設置につきましては、支援団体や関係機関から十分に御意見を伺いながら、設置の可能性について検討を進めてまいりたいと考えております。



◯振興部観光局長(兼松啓子君) 初めに、新たな観光消費機会の創出としてのナイト観光についてお答えいたします。
 本県では、平成二十七年度に策定したあいち観光戦略において、ナイト観光の充実により外国人旅行者の満足度向上を図ることを掲げております。本県に来訪する外国人旅行者が食べ歩きやショッピングなどを夜間に楽しむことは、さらなる消費の拡大や地域の活性化にもつながるものと考えております。
 県内においては、動物園や水族館の夏季夜間営業や週末の地下鉄の終電の延長、一部の物販施設による深夜営業などの取り組みが行われているところであり、本県の公式観光ウエブサイト、Aichi Nowにおいても、これらの情報を多言語で発信しているところです。
 一方、ナイト観光には、安心・安全や交通手段の確保などの課題があることも承知しております。
 本県といたしましては、引き続きナイト観光に関する情報提供を多言語で行うとともに、成功事例などの情報収集を進め、地域にふさわしいナイト観光のさらなる充実を図ってまいりたいと考えております。
 次に、中国からの本県への旅行者数と消費の傾向についてお答えいたします。
 本県には昨年、平成二十九年の一年間で約二百五十五万人の外国人旅行者が来訪しておりますが、うち百三十六万人、半数を超える方々が中国からの旅行者です。
 また、消費については、本県が昨年中部国際空港で実施した訪日外客動向調査によりますと、愛知県内で支出した旅行費用に関する質問に対し、十万円以上使ったと答えた中国の方は四五%で、全体平均の二八%を大きく上回っております。
 このように中国からは多くの旅行者が訪れており、消費額も大きい傾向にあると言えます。
 最後に、キャッシュレス環境の整備についてお答えいたします。
 キャッシュレスの決済方法には、議員からお示しのあった中国で普及が進むQRコード方式のほかにも、従来からのクレジットカード方式やデビットカード方式もあり、多様化してきております。
 このような状況の中、県といたしましては、利用者側のニーズを捉えるとともに、まずは事業者自身がキャッシュレス決済のメリットを理解し、それぞれにふさわしい方法で導入していただくことが大切であると考えております。
 このため、今年度新たに、宿泊、飲食、小売など、インバウンド観光に係る事業者を対象として、県内二カ所でキャッシュレスセミナーを開催することといたしました。旅行者の支払いの実態や支払い手順、事業者側の取り扱い手数料、導入時のコストなどを詳細に知っていただくことにより、業種や規模にふさわしいキャッシュレス決済の導入を促進してまいります。
 本県では、二〇一九年のラグビーワールドカップを初めとする世界的なイベントが開催されるなど、外国人旅行者の増加が見込まれ、地域の観光消費額の拡大が大いに期待されています。このような機会を捉え、キャッシュレス化も含め、受け入れ体制のさらなる充実に努め、外国人旅行者の誘客につなげてまいります。



◯十二番(ますだ裕二君) まずは、キャッシュレス化に関しまして、具体的な取り組みまでお示しをいただきまして、本当にありがとうございます。
 高次脳機能障害のある方の支援体制の充実について要望させていただきたいと存じます。
 御協力をいただきましたアンケート調査の自由記載欄にこのような記載が多数ございました。
 両親や身内がいなくなってしまったときの将来に不安がある。親亡き後に誰が面倒を見てくれるのか心配である。これは将来を不安視する当事者の切実な思いであると思います。
 しかし、その一方でこのような記載もありました。
 世の中全般にこの障害を理解していただけるような活動に努めていきたい、また、親に頼らなくても自立できるように努力をしていきたいなど、支援を必要とする中でも、社会で暮らしていくために前向きに取り組もうとされる現状を目の当たりにしたとき、より支援体制の充実を図っていくことができれば、高次脳機能障害に対しての理解も進み、住みなれた地域で高次脳機能障害のある方が暮らすことのできる持続可能な社会になるのではないかと思いました。そのためにも、より多くの方に障害を知っていただくために、高次脳機能障害に関する理解を社会全体で深め、必要な支援が受けられるような法制化に向け、国にも働きかけをお願いしたいと思います。
 愛知県は、全国のモデル的事業を実施し、高次脳機能障害のある方の支援に御尽力いただいていることは十分に承知をしています。しかし、他県でも高次脳機能障害の方々を支援する取り組みは進められており、愛知県に追いつけ追い越せでさまざまな取り組みを実施しています。現に、愛知県内において、高次脳機能障害のある方に対しての支援が追いついていないと感じている方々が多数おみえになることはアンケート調査からも明らかであると思います。
 ぜひとも全国的な取り組みを先導できるような愛知県でありますように、支援拠点の増設、また、地域偏在の是正、コーディネーターによる支援の充実にも早急に御尽力をいただきますことを切にお願いいたしまして、要望とさせていただきます。